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 夫との関係で悩んでいるAさんに、お手紙で私なりに思うことを伝えました。




私からえらそうに言えることは何もないですが、地元高槻の女性センターで、女性のためのグループ活動を長くしていますので、その中から、参考になりそうなことをお話させていただきます。



同じようなことが実際に起こって、解決した人を知っています。年齢は××代の方なので、少し起こった時期に違いはあります。しかし、いずれにしても、こうすれば解決する、とか、待っていればなんとかなるものではありません。解決した方はみなさん、ご自分の力で、まともに夫と向かい合った人たちです。「修羅場」をくぐり抜けたからこそ、今は「雨降って地固まる」と言っておられます。



まず、Aさんはどうしたいのか、自分で態度をしっかり決める必要があると思います。離婚を前提にはっきりさせるつもりならば、証拠が必要ですから興信所を利用するのもいいでしょう。

でも、たぶん違いますよね。望んでいることは、夫にしっかりとご自分と家族の方を向いて欲しいということではないのでしょうか。それと、具体的に困っていること(家事分担や経済的なこと)があれば、それもはっきり困っていると伝える必要があります。



話し合うときに一番大切なことは、「犯人探しをしない」ことです。「○○が悪いからこうなった」と互いに相手の非難をしあっても意味がありません。それで白黒決着がついたところで、関係がよくなるものではありません。誰が悪いのでもありません。ただ、「関係が悪くなっている」のだけです。そしてどこかで関係を悪くする悪循環が働いているので、その悪循環を断ち切って、よい循環にしていく必要があります。

たとえば、いきなり話し合いが難しい状況でしたら、よい循環を取り戻す努力を日常的に行ってから、という方法もあります。夫との関係や悪循環についてよく考えて検討してみてください。そして、比較的よい関係が持てた場面を探してください。決して悪いことばかりではないはずです。そのよい場面を増やすことから、悪循環の裁ち切りを始めます。



それから、悪循環にはコミュニケーションのパターンが関わっているかもしれないので、その検討も必要です。「犯人探しをしない」に関わっています。「○○してくれない(する)あなたは悪い」というメッセージを無意識に送っていないか、考えてみてください。それは、攻撃的コミュニケーションです。言われた相手は自分の気持ちを話すどころか、攻撃から自分を守る行動を起こします。

また「○○な私が全て悪い」となると受け身的コミュニケーションです。これは話す側にストレスがたまりやすいので、いつかは持ちこたえられなくなります。いつかはそれが爆発して「私がこんなに(いつも)○○しているのに、わかってくれないあなたは悪い」と、一気に攻撃的コミュニケーションに変化してしまいます。どちらにしても、対等ないい関係をつくることはできません。



相手を非難せずに、受け身的にもならず、自分の言いたいことを適切に伝えることができるコミュニケーションは、「I(あい)メッセージ」と呼ばれています。詳しくは川喜田好恵さんの著書「自分でできるカウンセリング―女性のためのメンタル・トレーニング 」をお貸ししますので、それをよく読んでください。基本は「私」を主語にして、「私は○○と思う」「私は○○と感じる」と伝える方法です。つまり「○○してくれないあなたは悪い」ではなく、「あなたが○○すると私は○○に感じて傷ついてしまう(困る、辛い)」というように伝えます。

もし、Aさんが夫に気持ちを伝えるときも「私はこれからも仲良く一緒にやっていきたいと思っている」とか「そのためには○○して欲しい(欲しくない)と思っている」「あなたに○○されると私は辛い」という感じで伝えます。

もちろん日常場面でも、「Iメッセージ」を使ってください。細かいことですが、「○○して!」といくら言っても一向に家事手伝いをしてくれなかった夫が、「○○してくれたらうれしいなぁ」と言い方を変えたら、すいすい動いてくれたというのを、私はグループに来ている人から実際聴きました。



いろいろ書きましたが、まとめますと、①気持ちをしっかり持って、②どうしたいですか?、③犯人探しはしない、④関係をよくするために悪循環を断ち切り、よい循環に変える、⑤気持ちは「Iメッセージ」で伝える、ということを、ゆっくり考えてみてください。