グループIの主旨に賛同して、仲間になってくださる方はメンバーになって下さい。年会費は1000円。4月から翌年3月まで。会員の方には「あい通信」を郵送させていだきます。講座の参加費も会員割引のある場合があります。
メールでお問い合わせください。こちらからご連絡さします。
参加者が少なくて、ちょっと寂しかったです。
「今年の目標」を作品にしました。画用紙に目標を書き、それを絵やコラージュで飾りました。1年間それを眺めて、実現に向かって近づいていきましょう!
画像はKさんの作品。
藤田 ひろみ
中島みゆきおとぎばなしのゆくえ
 著者買い取り分が100冊あります。読んでいただける方に買ってもらえたらうれしいです。メールでお申し込みいただいたら、ご希望の方にはサインをしてお送りします。
 すみませんが、書籍代金(1600円)と送料(150円)の負担をお願いします。同封の郵便振替用紙で振り込んでください。(振り込み手数料の負担もお願いします。すみません)
 よろしくお願いします。

以下、本書「はじめに」からです。

 私は中島みゆきさんのライターです。女性です。そして欲張りです。だから中島さんについて書いている人は圧倒的に男性が多いという現状の中、女性にしか書けないことをかいてやろうと、いつも思っていました。そして私は以前から、一番扱ってみたかったテーマに挑戦する機会を今回得ました。それはセクシャリティー論です。

 中島みゆきさんが性というテーマをどのように扱っているのか、自分なりに解きほぐしたいと以前から考えていました。ちまたに性情報やポルノグラフィーは氾濫していますが、女性の側からの発信がどれだけあるのだろうか、といつも思っています。男性の方に申し上げますが、AV女優さんたちが語っている言葉を、女性からの発信であると、誤解なさらないでください。あれは、男の方たちが期待する言葉を語り、望まれるように演技しているだけです。
 メグ・ライアンは映画『恋人たちの予感』(1989)の中で、レストランで男友だちの目の前で「イクふり」をしました。あっけにとられて目が点になっている彼をしり目に、演技を終えケロッとして食事を続けるメグはとてもチャーミングでした。その一部始終を近くの席見ていた上品な老婦人は、「彼女と同じもの」をオーダーします。
 そう、大なり小なり女性は誰でもそれくらいの演技はやっているのです。老婦人の態度はそれを男に思い知らせてくれた彼女への敬意の表れなのでしょう。お仕事としてやっているAV女優さんたちに限ったことではないのです。女性は知らない間に、男に気に入られるように振る舞うことを覚え、身につけてしまっています。
 では映画で女性の側からの性に関する発信が何かあるかと、もう少し考えました。一つ思いついたのは『ピアノ・レッスン』(1993)です。しかしこの映画にはセクシャリティーよりも大きなテーマとして、女性の尊厳と解放ということがあります。セクシャリティーの問題は女性の自己解放の重要な一部として描かれています。主人公の女性エイダの押しとどめることができない、ほとばしるような性への欲求の発露は注目に値します。

 そんな中で私は中島みゆきさんに可能性を感じていました。みゆきさんが描き出す猛毒を持った女性や娼婦たちの生き様や主張は、女性の側からの発信であるからです。みゆきさんの彼女たちへの視線は暖かく、同じ女性としての共感に満ちています。そこには女性の側からの性についてのなんらかの主張が含まれているのではないかと考えていました。
 中島みゆきさんの曲の中の男女の関係を見ると、男性に性的に利用され、悲しい思いをしている女性がたくさん出てきます。自分の性を利用して男性からまきあげるたくましい女性も出てきます。でも、どちらの形も、私は、そしておそらく中島みゆきさんも、望ましいと思っていないことをお伝えします。それでは望ましい形は何なのか、中島みゆきさんはどのような可能性を示唆しているのか明らかにできればと思います。

 『恋人たちの予感』の2人は、出会いから11年間のセックス抜きの関係を経て、理想的なカップルになりました。セックスが先行したときに関係において何が失われてしまうのかは、みゆきさんが多くの曲で描いている通りです。だからと言って、セックスなしの関係がいいと、みゆきさんが考えているとは思いません。傷つきながら、傷つけながら、関係への模索が続けられます。
『恋人たちの予感』の2人はセックスしないことで相手を大切にすることを知りました。そして互いが相手を必要とし愛していることに気づいたとき、初めて本当の意味で結ばれました。
 『ピアノ・レッスン』の場合、エイダが狂おしいまでに愛する男を求めるようになったのは、彼が誰よりも誇り高い彼女の気高さを尊重したからです。貴重な宝石のように大切に彼女の身体を慈しんだからです。そのとき彼女の官能の扉が開かれて、一気に花開いたのでしょう。
 これらの関係のように男女が互いを尊重し、利用しあうのではなく、相手を大切にしながら楽しめる関係こそが私の望むものです。男女ばかりでなく、同性のカップルもそうなれることを希望しています。中島みゆきさんの作品の中にも、これを見つけてみたいです。

 本書を書き進めるにあたって、中島みゆきさんにおける「おとぎばなし」をキーワードに選びました。「おとぎばなし」を「鍵」としてみゆきさんの世界を開いていきます。今回は2つの部屋(=世界)の扉を開きます。1つ目の部屋は、夜会論です。難解な夜会を扱っただけに、少々堅苦しい書き出しになってしまいました。最後ではみゆきさんからの熱いメッセージをくみ取っているつもりです。
 どきどきしながら読めるセクシャリティー論は2つ目の部屋です。せっかちで早くセクシャリティー論を読みたい方は、どうぞこちらの部屋からお読みください。
 そして最後に特別室があります。この部屋を開く鍵を私は持っていません。みゆきさんのプライベートなお部屋です。こんなにたくさんのすばらしい曲を作った中島みゆきさんのことも、やっぱり知りたい。だからほんの少しだけ、ノックをさせてもらいました。
第1楽章「あなたと聴く中島みゆき16章」
 中島みゆきの曲で取り扱われている3つのテーマ「夢」「傷み」「慰め」につて、変遷を追いながら分析しています。

 第1章『地上の星』が『銀の龍の背に乗って』ゆく
 第2章「あどけない夢」が照らす『バラ色の未来』 
 第3章 探しものは「夢の中」に
 第4章『歌姫』の歌声に包まれてやせた水夫は『砂の船』で港を出た
 第5章「つらい思いが多くなるけれど夢見ずにいられない」「でも…夢だったんだね」
 第6章「信じられない季節の淵」から「愛の翼」に乗って飛び立てるのはいつ?
 第7章「断崖」を下り、「ガラスの荒れ地を 裸足で 突っ走」る先にあるものは?
 第8章「傷つけるための爪」と「背中にかくしたナイフ」をおさめる先は?
 第9章「何もかも失して」言える「愛」は「愛ではない」のか?
 第10章「身を守るために傷つけ」るのをやめて「風にな」れるのか?   
 第11章「泣きたい夜」は「どこかで少しだけ私を思いだして」
 第12章 「闘う君」へのメッセージ「ファイト!」
 第13章「何もない」私だけれど「泣かないで」
 第14章「君を待っている」「最後の女神」との出会い
 第15章「くり返す哀しみを照らす灯」としての『心守歌』
 第16章「次に生まれて来るとき」は、『二隻の舟』で「Welcome」

第2楽章 中島みゆきメモランダム
刊行時までに書きためていた文章を整理し、掲載しています。

 第1章 中島みゆきと癒し(「あい通信」に連載していたエッセー)
 第2章 家族についての考察(2~4章は大学院のときのレポート)
 第3章 中島みゆきの曲におけるアルコール依存度
 第4章 「忘れてはいけない」とPTSD
 第5章 FMIYUKIの書き込みから(インターネット上の会議室)
「中島みゆき夜会『金環蝕』フェミニズム的試論」
女性学会の学会誌に投稿。夜会『金環蝕』をフェミニズムの視点で分析しています。
別冊宝島音楽誌が書かないJポップ批評24「大衆歌としての『中島みゆき』案内」で引用されています。

「中島みゆきの作品世界における対人関係についての臨床心理学的研究」
心理学系の大学院の修士論文。中島みゆきの曲や夜会に登場する人物の、対人関係の変遷について考察しています。
「あい通信」に連載しているエッセーです。
第1回 「瞬きもせず」
第2回 「風にならないか」
第3回 「泣かないでアマテラス」
第4回 「Maybe」
第5回 「バラ色の未来」と「グスコーブドリの伝記」
第6回 「ヘッドライト・テールライト」
第7回 「いつか夢の中へ」
第8回 「あたし時々思うの」
第9回 「命の別名」と金子みすゞ
第10回 「断崖-親愛なる者へ」
第11回 Dr.コトーと「銀の龍の背に乗って」
第12回 かけがえのない人との出会い「with」

1~10回は、著書『あなたと聴く中島みゆき』に収録されています。
 パートナーシップに関して、中島には「二隻の舟」、「誕生」という圧倒的な2曲があるために、「with」はどうしても影が薄くなる。悪くはないんだけれど、インパクトが弱いという感じだ。それがきっかけがあって、そのメッセージに近づけた気がしている。

 きっかけはラジオ。ふじたは大のラジオ好き。仕事を休んで以来、午前中はラジオで情報&話題収集している(NHKの村上信夫アナウンサーのファン)。そして11時台放送の私の本棚で光成沢美著「指先で紡ぐ愛~グチもケンカもトキメキも」の朗読があった。
 光成さんの夫(福嶋さん)は盲聾者、目が見えなくて耳が聞こえない。指点字という方法で会話をする。光成さんが自分は夫にとって何なのか悩んだときのエピソードが印象に残った。結婚してずっと光成さんは大切な人のために何かしてあげたくて、すごくがんばった。でもまわりからは介助して当たり前と思われ、評価されない。「私は介助するためにこの人と結婚したのだろうか?」わき上がる疑問。そしてある日怒りが爆発・・・

 これは、私にもあったし、グループに来ている人たちからもよく出される話題だ。女性は家族のために尽くして当たり前と思われる。役割の中に自分自身がどんどん見失われていく。家族に障害がなくても同じだ。

 このときの福嶋さん言葉(高校生まで耳が聞こえたのでしゃべることはできる)が感動的。要約すると「僕のためになることをなにかしてくれるのは、かけがえのある存在だ。でも、君がたとえ何もできなくても、君の存在そのものが僕には意味がある。それは君がかけがえのない存在だからだ。僕は真空の宇宙に一人でいる。孤独だ。でも君と指先でつながっていることで、孤独が少しでも癒される」みたいな感じだった。

 かけがえのない存在とは、言葉はよく使われる。それが本当の意味するところを考えると、人と人との関係の本質が問われると思った。役に立つからではない、あなたがいることに意味がある。誰も代わりがいない大切な人がかけがいのない人だ。そして中島みゆきの「with」。

  だれだって旅くらいひとりでもできるさ
  でも、ひとりきり泣けても  
  ひとりきり笑うことはできない
  with…そのあとへ君の名を綴っていいか
  with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに 
  with…

 これはそんなかけがえのない人との出会いを歌っているのだということがわかった。何のためではない。でも、ただ一緒に(=with)いてくれる人が必要なのだ。「遠い砂漠を旅しているみたい」という詞も、福嶋さんの「真空の宇宙」と不思議にリンクする。生きるとはよるべのない旅なのだ。だから手帳に綴る、「with…(一緒にいて欲しい大切な誰か)」
 あなたは誰の名前を綴っていますか?
 夏休み前の企画として、食事会+ワークを実施した。今までグループに関わっていただいた方々に広くお声をかけた結果、遠方からなつかしいメンバーの参加もあり、とてもうれしかった。まずはKさんの手作りパンにマサラバザールのおいしいお料理をいただきながら、近況の報告。その後で「自分を褒めるワーク」を行った。自分自身に対してミニ表彰状をおくり、発表しあうというもの。それぞれに自分のペースでがんばっている、その思いが込められた1枚1枚がとてもすばらしかった。ぜひ参加できなった方々とも共有したい内容なので、参加者に許可をいただいて、ここで紹介させていただくことにした。

表彰状
 貴方はいろんな事に好奇心を持って、一人で仲間の中に入っていくので、その勇気を褒めてあげます。(50代)

表彰状
 あなたはいつも頑張ってますね。必要以上に頑張って、しんどくなってしまう方ですが、負けず嫌いな頑張り屋のあなただから、子どものころから、ここまで生きて来れたのだと思います。生きる原動力でもある頑張りですが、これからは少しずつ気を抜きながらやっていくと楽だと思いますよ。(40代)

1年間よくがんばったで賞
 あなたは自分のしたいことをし、毎日を楽しく過ごしました。よってここに表彰します。(30代)

表彰状
 貴方は日頃から家族が快適に又健康に過ごせる様に心を配り、自分自身も楽しく向上できるよう努力していることを賞し表彰いたします。(50代)

表彰状
 仕事、家事、育児に毎日がんばっていますね。(30代)

表彰状
 あなたは常に上の者、下の者を問わず気を使い、会社の為に貢献している事を表彰します。(30代)

表彰状
 家族のため、仲間のため、自分のためによく頑張りました。めざせ臨床心理士、女性たちのためのこころの専門家になるぞ!(ふじた)

ぴかり賞
 あなたは昨年から今年にかけて、アートクレイ、仕事、義母の世話と立て続けに続いた出来事をなんとかクリアし、今日に至っています。今のあなたは銀粘土(シルバー)の輝きのように「ピカリ」と輝いています。これからもこのひかりがくもらないように「ピカリ」と輝いていきましょう。(40代)

2003年9月13日(土)「対人関係地図をつくろう」
 なつかしいメンバーが参加してくれて、参加者は5名だった。
 ○(頭)と△(胴)を組み合わせて表された人物が「私」と書かれた人物をぐるっと取り囲んでいる。そのワークシートに、「私」を取り巻く人物の名前(実名)入れるのがワークの内容。「私」との距離、向きを考えて全員がなんとか名前を入れ終えたら、今度はその人物たちに色を塗る。色が持つイメージはその人物とどうかかわっているのか?

2003年10月11日(土)「見せたい私、なりたい私と、ほんとの私」
 あちこちの女性センターにチラシを送った効果(?)で、始めての方が4人参加してくださいました。やや緊張のスタート。
 自分が持っている自己像を点検するワークと、他者から期待されている自己像(理想)を点検するワークの2つを行いました。力が抜けて前向きになれている人、理想を追いながら現実はしんどい人、いろんな思いを語りあいました。
を入力してください。
2003年 11月14、21、28、12月5、12日

 第1回 どうして女性は自己表現ができなくなっているのか、そのために何を失ってしまったのか、どうすれば自己表現できるのかを学びました。

 第2回 練習問題を使って、具体的な自己表現の方法について話し合いました。ポイントは①「私」を主語にした「私」メッセージを使う、②相手の気持ちへの手当、配慮を忘れずに、③代案を提示する、④予防のメッセージも入れよう。

 第3回~5回 ロールプレイで参加者が実際に言えなかった場面を再現、どうすれば自己表現ができるのかトレーニングを行いました。

 参加者からはさっそく使ってみた「私」メッセージの効果も報告されました。「○○してよ」というのは「私」メッセージではありません。そしてそこには「○○してくれないあなたはひどい」という攻撃のメッセージが含まれています。それでは、相手は動いてはくれません。それを「○○してくれたら助かるなぁ」と変えただけで、相手が動いてくれたというのです。みなさんも是非おためし下さい。